先端技術研究会2019⑥

先端技術研究会6回目は、囲碁AIの権威、加藤英樹氏をお招きしてMini講演会を開催頂きました。

囲碁AIを研究しており、DeepZenGoプロジェクト代表をされていた方です。

AIの権威の方の講演会に筆者の様な初心者など場違い感が半端ないですが
興味深い内容を、とても分かりやすい内容で説明頂き面白かったです。

いつくか紹介したいと思います。

■AIとは
まずAIと言うと「人類を滅ぼす、人類の敵」などのイメージが先行しがちであるがこれは全くの誤り。
煽ることで利益を得る人や、AIの中身を知らない人によるもので、実際には共存可能。

人間の知的能力との差についても、自然言語の理解という意味では中々難しい様です。
広義の嘘(フィクション、空想、比喩、冗談など)についも理解できないので小説などは書けない模様。
動物を使っての実験も難しいとの事でした(話せないので)

例えばAIには身体がないため
・「お腹が空いた」の意味が分かるか?
・ストレスによる「胃が痛い」の意味が分かるか?

そう言われてみると、なるほど納得です。

■ディープランニングについて
”多層”ニューラルネット(人間の脳の仕組みニューロンを数理モデル化したもの)で基本は連想記憶。
人間の真似が非常に上手く、時には人間を超える場合もあるとのこと。
(真似しているのに超えるとはコレイカニと言った感じではありますが、モノマネの人が本人を超えるみたいなものだと納得)
ただし膨大な実例(訓練データ)が必要となります。

サッカーゲームのNPCを1970年代の「ルールベース」(IF~THEN~ELSE~と要するに全部手作り)と比較すると
・ルールベース
前が開いている→ドリブル
前に相手がいる→右か左に仲間がいる→パスする
→仲間がいない→足元を抜くor頭上を越す

・一般化強化学習
大量のランダムシミュレーション
成功例と失敗例で訓練(良い結果のものを残していく)

■自然言語の難しさ
問1
①「私は先週、山田と広島に行った」
②「私は先週、山口と広島に行った」

問2
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアに主に広がっている。
オセアニアに広がっているのは( )である。
・ヒンドゥー教
・キリスト教
・イスラム教
・仏教

問3
Aくん「もうすぐ本屋だよ、あと2,3分かな」
Bくん「ちょっと (     )」
Aくん「サンキュー。よくあるんだよね」
Bくん「5分前に結んでなかったっけ?」
Aくん「だね。今度はしっかり結んどくよ」

()に入れるべき文は?
・随分歩いたね
・もうすぐだね
・いい靴だね
・靴の紐ほどけてるよ

問1について
①は山田君と広島旅行に行ったんだな~と分かりますが
②は一般人がいきなりコレを聞いた場合、山口県と判断するでしょう。
山口君と広島旅行に行ったのか山口県と広島県旅行に行ったのかは行間を読む必要があります。

問2について
こちらはパッと見、理解しづらく人間でも間違えそうです。

問3について
こちらもAIには靴紐の話だと理解させるのが難しいです

これをAIに理解させるにはどうしたら良いかなど研究を進められているみたいです
ただし、別の角度から検証した方もいて、高校生に同出題をしたところ
「高校生にもわかってなかった!」という結果が得られたそうです。

人間でも間違えるものを、今後どうやってAIに理解させていくのでしょうか。
おもしろいです。

■今後
人間のようなAIが出来るのはまだまだずっと先のようですが
それでも日進月歩技術は進んでいき、いずれはそのようなAIも出来るのでしょう。
便利な道具についてはリスクも大きい為、悪用をどう防ぐかなどの課題もあります。
様々な要因を含んでいるものの、最早人類とは切り離せなくなった技術
うまく共存していきたいものですね。

さて、今回の研究会を通して初めてAIについて学習してきました。
AIとなんて聞くとター○ネーターとか、某22世紀のメカタヌキを真っ先にイメージしていた筆者ですが色々と新鮮でした。
同じようにAIに初めて触れる方たちともお話出来て楽しかったです。
興味のある方は、最初の一歩の取っ掛かりとして参加してみては如何でしょうか。

(´・ω・`)ノシ see you