先端技術研究会2019⑤

先端技術研究会5回目は、研究結果(研究会で得たこと)を発表してきました。

みなさん研究テーマを基に作成したアプリについて苦労話など交えて発表されてました。
筆者たちもペットは飼い主に似るかをテーマに色々試した結果を発表してきました。

■課題
①顔推定だけで似ているか比較するとペットより人間の方が似ている
②そもそも、同じ人でも表情が異なれば信頼度は下がるのでは?
③どうやって人は、人とペットが似ていると判断するのか?
⇒目、鼻、口、顔の形など部分的な特徴を比較して判断しているのでは? 輪郭や、全体的な形で判断しているのでは?

■検証
①同じ人物の予測値はどのくらいか
⇒同一人物で表情が違う場合、信頼度は85%くらい。
⇒全然似ていない猫顔おじさんが72%なので、人の顔の違いは10数%しかない。
⇒猫だって、68%なので、違いは20%弱。

②部分的な特徴を比較するために、目を検出。
⇒目が検出できなかったり、目以外の部分が検出されたり。
⇒正しく目を検出するには色々と調整が必要そう。

③部分的な特徴を比較するために、鼻を検出
⇒人の鼻は結構検出できる。猫の鼻は中々検出できない。
⇒猫の鼻用の学習データを作成する必要がある。

④部分的な特徴を比較するために、口を検出。
⇒人の口は結構検出できる。猫の口はまったく検出できない。
⇒口は比較対象としては適切では無い。

⑤輪郭や全体的な形で信頼度を検証する。
・画像をグレースケールに変換
・Haar-like特徴分類器で顔部分を認識
・検出した画像をリサイズ
・リサイズした画像からエッジ検出を行う
・エッジ検出した画像に対して特徴量を取得する
⇒未検証

■方針
①顔推定では、信頼度(60%~80%)の範囲で似ている割合を算出する。
60%は全く似ていない、80%はそっくり。など
②部分的な特徴を比較する。目を検出して、形、大きさ、間隔などを使って信頼度 を算出する。
(猫の場合、鼻や口は比較対象にしない)
③輪郭や、全体的な形で判断する。 エッジ検出した結果の特徴量から信頼度を算出する。

最後に『研究会に期待している事又は参加目的』に対しての評価 を求められたので
・研究会のおかげで未知のAIが、既知のAIになった。
・他の人のアイディアや考え方がとても参考になった。
評価:80点
と致しました。100点満点つけたかったのですが、研究結果を全て出す前にタイムアップとなった部分もありこの点数。
研究会としては満点です。時間が足りなかった部分は今後自主的に続けて行くことにしましょう。

評価点数調査の副産物として、人は自己採点を求められると80%とする事が多いことが判明しました
この日の他の方々の自己評価80%の多さよ(笑)

【アプリコンテストについて】

今回のテーマでアプリケーションコンテストに参加してきましたので一応ご報告をば。
当初は飼い主を学習させてペット画像と比較する案でしたが、冷静に考えてコンテスト会場にペット持ち込んだら軽くパニックになるので逆にしました。

① アプリ起動

起動するとタイトルが出ます。それっぽくなるものです。

② Webカメラ起動
PUSH ANY KEY が点滅しているので何かキーを押すとwebカメラが起動します。顔はイケメソ過ぎるので自主規制しました。

顔推定器により人の顔を認識すると四角い枠で囲われます。


角度とかにより認証されなくなると枠が外れます。枠で囲われている時がシャッターチャンスです。
上記は制作中の画像ですが、完成版はシャッターボタンの説明文字が画面上に表示されています。「s」キーでshot!
(認証されていない時に撮影するとエラー表示されます。「n」キーでnext shotするか「q」キーでquitするか選択します)

③撮影

撮影すると予めPCのペット画像フォルダにあるペットの画像を学習して、類似度を算出し画面上に表示します。
この時はデータが2枚とかだったのでこの有様。発表時は65~66%程度でした。

なお、余談ですが、類似度が低くなって気分を害される飼い主様対応として忖度モードを搭載しました。
「S」(大文字S)で撮影すると問答無用で1.25倍の類似度を算出してくれる優れもの!
たまに100パーセントを突破するのが玉に瑕ですが気分よく帰って頂きましょう。
一部のコンテスト審査員の方には好評でした。Σd( ・`д・´)

さて筆者たちの研究結果については今回でラスト。
次回は囲碁AIの権威加藤英樹氏のMini講演会を開催頂けるとのこと。
囲碁AIを研究しており、DeepZenGoプロジェクト代表をされていた方です。

次回。最終回(`・ω・´)震えて待て